第3回CLDA

受賞作品

銀賞

BOLO

大量生産・大量消費型の現代社会において、トレンドが過ぎ去った服は壊れているかのように扱われ、捨てられてしまいます。トレンドが服を壊す現状を打破するため、「BOLO」は服への新しい向き合い方を提案し、“壊れない服” 作りを目指します。セラミックと服が出会い、着ているうちに生じたセラミックの割れがその服の新しい表情をつくります。そのとき私たちは、壊れてしまったモノへの愛着と価値に気づくのです。

一人一人が時間をかけてモノと向き合う世界を実現するために生まれたファッションブランド、「BOLO」。壊れるまで、壊れたとき、壊れたあと。壊れるから、美しい。

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鈴木 達也 Tatsuya Suzuki

  • 1997年生まれ
  • 学生(千葉大学・大学院融合理工学府・創成工学専攻・デザインコース)
  • 千葉大学大学院博士前期課程 修了見込み
  • 千葉県

田代 遥 Haruka Tashiro

  • 1999年生まれ
  • 学生
  • 千葉大学大学院博士前期課程 修了見込み

山村 寛太 Kanta Yamamura

  • 1998年生まれ
  • 学生
  • 千葉大学大学院博士前期課程 修了見込み

審査員コメント

服とセラミクスの融合により、服の在り方を考え直すファッションブランドの提案である。使い捨てのファストファッションに対し、使用後に送り返すことで、割れたセラミクス部分を新しく任意に貼りなおし服の価値の再生を図るアイデアで、サスティナブルな服の在り方を考えた。また、実際の使用のための細やかな製品の造り込みもよく考えられていた。しかしそれら以上に、実際の服の魅力は私に刺さった。個人の内省をスマートに表現し、今を更新する衝動を共有できるアイテムのように感じた。つまり恒久、清潔といった印象を与えるセラミクスがここでは刹那的ファッションとして、繊細で反逆的な感情表現となっているところが面白い。私も欲しいと思った。

田中右紀