第1回CLDA

受賞作品

金賞

あかりと景色を選ぶ庭

密集居住地域における北側の余地を、上質な暮らしを彩る「北向きの庭」にするため、光沢と耐候性を兼ね備えた「可動式の葉を制御」し、周辺環境に合わせた景色と明るさ感を採り入れる庭である。

都心部住宅地や郊外の町屋の街区では、敷地の細分化の進行により北向きの立地や隣家の隣接を余儀なくされた、快適な採光・眺望確保が困難な敷地が多くみられる。

快適な環境を求めて向きを変える植物の葉のような、周辺条件にアジャストできる「セラミックリーフ」を用いて、視線遮蔽や眺望確保の制御を行いつつ、リーフの反射を利用して室内の明るさ感確保を行う。

狭小化する住環境において、古くから良質な住環境として親しまれる「北向きの庭」をつくりだす装置である。

天候や季節による陽の光の変化と、植物の葉のように一枚毎に異なる、セラミック特有の柔らかい揺らぎを掛け合わせ、多様でやさしい表情と明るさ感をつくりだす。

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齋田 武亨 Takeyuki Saita

  • 1979年生まれ
  • 建築設計
  • 建築設計/本瀬齋田建築設計事務所
  • 東海大学大学院 工学研究科 建築専攻修了
  • 富山県