第3回CLDA

受賞作品

入選

matsu

幼少期を過ごした公園に目を向けると、危険とされた動く遊具のほとんどが撤去されていました。リスクをあらかじめ回避する点は理解できるものの、様々な学びのある遊びを成長過程で経験できなくなることには懸念が残ります。思い通りにいかないジレンマや丁寧に扱う緊張感など、これから子どもたちが代替する経験を得られるものは何かと考えました。「matsu」は、遊びを通して公園遊具での学びが得られるバランスゲームです。セラミック素材は適度な重量感があり、パーツ同士が接触してカチンと音がするなど、公園遊具に似た独特の緊張感があります。半永久的に劣化しない点と長い時間楽しめる盆栽を重ねました。実機能ばかりに注目が集まるセラミック素材を、素材として親近感のある存在に近づけるとともに、鑑賞対象としての新たな楽しみ方をつくりました。この「matsu」と時間を過ごす(待つ)ことで得られる学びがきっとあるはずです。

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原田 一穂 Kazuho Harada

  • 1980年生まれ
  • デザイナー(フリーランス)
  • 拓殖大学工学部工業デザイン学科 卒業
  • 神奈川県