これまでのCLDA第1回 CLDA 2016審査員総評

第1次審査員

浅井 裕雄

建築家、裕建築計画代表

セラミックの可能性を引き出すこのコンペを振り返り。
生活に寄り添った様々なあかりの提案が集まった。入賞作品を見ると、肌触のような質感と光の醸し出す情緒的な風景、またそれらの必要性をシッカリとプレゼンテーションされた方が各賞にたどり着いたと思う。
実大モデルはプレゼシート以上に作者のアイディアとデザインがリアルに見えてくる。素材や工法も重要なコンペでした。
幅広いアイディアが集まり、2年後の第2回はさらに広がるアイディアが集まることを期待します。

遠藤 充彦

株式会社YAMAGIWA 取締役、照明デザイナー

今般の公募は、玉石混交の一次審査でした。そんな中で、やはり一次、二次通過の作品はプレゼンシートの最初から輝いておった作品は、金賞と銀賞のearthでした。コンセプトとそれを裏付ける造形力があり、今後の創造力を期待します。

阪本 やすき

白山陶器株式会社 デザイン部長、陶磁器デザイナー

セラミックに特化し、「くらしを彩るあかり」をテーマとした初のコンペティションにどのような応募作品が寄せられるのか楽しみにしつつ一次審査に臨みました。独自の視点や柔軟な感性でテーマを捉えたユニークな提案が多く、特に陶磁器分野以外からの素材知識や経験に捕われない自由な発想による独創的な提案は新鮮で興味深いものが有りました。しかし応募者自身が指定する素材と作品のフォルムや構造との整合性が極めて低いものも有り、その実現性に付いての疑問が度々協議の対象となりました。結果、一次審査の役割として実現の可能性より実現した場合の有意犠牲を重視することになりました。こうした流れの中で、二次審査を応募者参加の公開審査とし、臨席者相互のアドバイスによるブラッシュアップや協働の機会とすることの可能性に付いて検討頂く事を一次審査員の総意として提案させて頂きました。

田上 知之介

愛知県立芸術大学 准教授、セラミックデザイナー

「やきもの」としての完成度ではなく、陶磁素材を用いて生活に何を提案しようとしているのか、その目的が明快で可能性を感じるデザインを選びました。特に素晴らしいと感じたものは、陶磁素材の建築への応用でした。素材の特性が考慮されていることに加え、生活に潤いをもたらすこれらの提案は、実現性と発展性を備えています。また、惜しくも選外となった中に、ユーモラスでとても好感が持てる作品があったことは、このコンペティションの幅広さと質の高さを物語っていると思います。

長井 千春

愛知県立芸術大学 准教授、セラミックデザイナー

セラミックは、人類が地球上に現れてから、その暮らしに寄り添い役立ってきた素材である。
考古学の動かぬ証拠となるように、ずっと人類の歴史を刻んで来た。
現在もそれは変わっていない。
あまりに身近な素材であるが故にこれまで見いだせなかった、暮らしに美しく寄り添うセラミックデザインの可能性はまだまだ無限にあるに違いない。
このコンクールで、壷鉢皿だけでないセラミックによる生活への提案や美の在り方が数多く見いだせたことを喜ばしく感じている。

第2次審査員

小林 繁樹

国立民族学博物館 名誉教授、文化人類学者

第一回目から応募作品が数多く寄せられ、コンペとして幸先のよいスタートを切ることができた。
なかでも、作品「Knit light」は自在に伸展できる拡張性をもつなか、セラミックの素材感と特性を十分に生かしつつ、幾何学的なあかりと陰影を柔らかに表現して見事である。また、あかりを建材のように応用したり、香りや煙を可視化させる作品など、あかりをめぐっての工夫が目立った。
今後は、さらに素材自体や、思いもかけないあかりへの探求も望まれる。

小松 誠

武蔵野美術大学名誉教授、プロダクトデザイナー

審査するにあたって、これまでにない独創性の高いものを選ぶように心がけました。すぐに製品化できるようなものでなく、これからのセラミックの新しい可能性を感じさせるものに、高得点をいれました。入賞したものはそれにふさわしいデザインでしたが、コンペのプレゼンテーションは、モデルの見映えがとても重要です。モデル制作をセラミックにこだわると、既存の技術、素材、制作の出来、不出来に左右される事を強く感じました。

友岡 秀秋

愛知県立芸術大学 教授、プロダクトデザイナー

テーマにある「彩る」とは、遊び心や曖昧さの意味合いもあり実にデリケートな感覚です。一体どのような解釈をして応募してくるのかとても楽しみでした。結果的に選ばれた作品は、暮らしに於ける小物から建築的要素のものまであり、どの作品も様々な場をイメージさせ、そのメッセージがシンプルで潔さを感じるものでした。欲を言えば「彩る」感覚を、もっと柔軟且つ多様な視点で捉えて欲しかったというのが本音です。今後の更なる活躍を期待しております。

中村好文

建築家、家具デザイナー

建築家の立場で第1回目の「CERAMIC LIFE DESIGN AWARD」の審査員を務めさせていただいたことを光栄に思う。会場に並べられた、手のひらに載るような小物から、建築的な作品までの多岐にわたる応募作品の数々はなかなか見応えがあった。中でもグランプリに輝いた 「Knit Light」はセラミックという素材の持つ魅力を引き出すアイデアといい、細部に至るまで考え抜かれたデザインの完成度の高さといい、出色の作品だった。しかるべき建築空間に設置された様子をぜひ眺めてみたいものである。

宮脇 伸歩

株式会社LIXIL LHTデザインセンター チーフデザイナー、プロダクトデザイナー

今回のテーマが「あかり」ということもあり、透過性の素材での提案が特に目立っていた。セラミックでの試作体のものはその効果が確認できたが、スケッチやモデルでの審査の場合はセラミックにした完成度を想定しながらという困難さがあった。その中でも上位賞は、絶対的に美しいもの、新しい使い方が提案されているものが選ばれ、第一回目にふさわしい受賞作品と言えると思う。個人的には炭火を愛でるアイデアが秀逸と感じられた。